SPECIAL OLYMPICS

10月20日はケニアではMashujaa Day(英雄の日)という祝日。

そんな今日はコースト州の特別支援学校が一同に集まるSPECIAL OLYMPICSに、子ども達と一緒に参加して来た。

Lions clubという中国の会社がスポンサーで毎年開催しているらしく、想像以上に大きな規模だった。

非日常に、らんらんと顔を輝かせる子ども達。

100m走、袋に入って100mぴょんぴょん走、200m走、400m走、800m走、リレー等が競技内容で、それぞれ障害や年齢別に競い合うというプログラム。

時間通りにはいかないと思ってたけど、プログラムでは9時からが競技時間だったのに、やはり競技が始まったのが11時だった。

本当に計画的でないというか、準備が足りないというか、もう何も言葉が出ませんというか。

でもそれを普通に受け入れる、懐が深いケニア人たち・・・。

 

そんな中、私はゴールした子ども達を1〜3位までつかまえるというHuggerという役を突然いただき、次々にゴールしてくる子ども達をキャッチし、記録係のいる場所まで連れて行くのに奮闘。

競技がやっと始まって5レースくらいした所で次は、「レースは一度中断して、マーチにうつりまーす。Presidentが来ますのでー。」と放送が流れる。

全く理解できず、一体誰が来るのかと周りの人に聞くと、「大統領よ!キバキ大統領が来るのよ!」という。

まさか、と何人に聞いても「キバキ大統領、あいつが来るんだ。」とか「大統領がわざわざ来る程の大会なのよ!」とか言う。

そしてマーチの体制になり、なかなか現れない大統領を待つ事30分。

大きな拍手の中現れたのは、Lions Clubの社長だった。

これすらまた普通に受け入れる、懐が深いケニア人たち・・・。

 

競技では1〜3位に入賞すると、メダルやタオルがもらえるので、子ども達だけではなく先生も必死で勝ちに行く。

まっすぐ走れて、足の速い子ども達を、校長先生が選抜して予めエントリーさせていたことを行ってから知った私。

私の学校は統合教育を目指していて、障害のない子ども達も在籍しているので、もちろん彼らの方が競争で走らせたら早い。

エントリーされたのは半分以上健常の子ども達で、Special unitから出れたレースに子ども達はたった10人程だった。

つまり障害が比較的重度な私のクラスの子ども達は誰一人、芝のグラウンドで思い切り走る事も、競技用のTシャツ来てないからとマーチに参加する事も許されなかった。

広い緑のグラウンドを前に、ただただ座って過ごす子ども達を見ていると、申し訳ない気持ちになり胸が痛んだ。

そして、それを当たり前だと言う同僚達との感覚の違いに、ちょっと途方に暮れてしまった。

まっすぐ走れないなら、手を繋いで一緒に走ればいいのに。

100mはちょっと遠くて目標を持ちにくいから、ゴールが見れる20mくらいで走らせてあげたい。

どれもSPECIAL OLYMPICSの為に、ゴロゴロ石の広場で子ども達と一緒に練習したことだった。

参加できる方法があるのに、それを模索せずに、子ども達の可能性を閉ざしている。

私の学校に限らず、レースに参加しているのは足の速い障害が軽度な子ども達ばかりだった。

ケニアの特別支援教育の現状・課題を垣間見た。

ちょっと凹んだ後、ここでここからやっていくんだと、気持ちがシャンとした。

 

腑に落ちないことも多々あったし、炎天下4時間くらいHuggerの仕事が続き頭くらくらだったけど、コースト州にある特別支援学校の先生や生徒達と関わるいい機会でもあった。

何よりいつも教室で見て来た子ども達が外に出た時に見せる、いつもと違う表情。

いいものいっぱい見て、よく笑った。

移動はマタツで。日本の7人乗りのハイエースサイズに、数えたら32人乗ってたよ。

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