夢を食べる

きっと誰もが、口にせずとも心の中に小さな夢をいくつかもっている。

 

私は子どもの頃から、エビが好きだった。

私の誕生日の夕飯のご馳走はいつも海老フライ。

お母さんは、その日ばかりは、できるだけ大きな海老フライを私に食べさせてやろうとしてくれた。

大きな大きな海老フライが食べたい、何度も願ったことだった。

そして数年前に見た“南極料理人”という映画で、伊勢エビの海老フライが出てくるシーンがあった。

それを見た時の衝撃といったらすごかった。

「いつか伊勢海老フライを食べたい」と、小さな夢が生まれた。

 

 

新鮮な海産物が安く手に入る今、これまでの人生で最もその夢に近づいていた。

そして今日、ついに夢を叶える日が来た。

36cmの巨大伊勢海老(お値段645ksh:約645円)を前に、胸が高鳴る。

殻むきをし、下処理をする。

伊勢海老の殻はなかなか固く手こずるが、それでも胸のどきどきと笑顔が止まらない。

巨大背わた抜きも、包丁がめげそうになることも、すべてが夢までのプロセス。

 

そして・・・夢に口が届く瞬間。

大きな大きな伊勢海老フライ、ここにあり。

不思議だけれど、見た目も味も、もうどうでもよいことだった。

 

夢を食べた。

 

その事実が、私にとって絶大な価値。

きっとこの先、伊勢海老フライを作る事はもうないと思う。

そして今日の日の事を、忘れる事もないと思う。

 

 

 

 

 

 

付け足し。

主役張りの存在感を放つ今日の副菜、伊勢海老のお頭のみそ汁。

この美味しさ、はんぱじゃない。

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