Archive for 11月, 2012

2012/11/28

保護者

無事に今年度の最終日を迎えた今日。

保護者が子ども達を迎えに来た。

それに合わせて、今タームの成長や今後の課題について、担任している子どもたちの保護者と話し合い、今タームの成長を綴ったレポートを渡す。

日本の学校の懇談の様に数十分きざみで時間を設定し、その時間にきっちり保護者が教室にやって来てくれるなんてケニアではありえないので、ただひたすら気を長くして保護者が現れるのを待つ。

マンゴーの木陰に椅子を置き、保護者を待つ事丸一日。

いつも通りの時間の朝の7時半から、最後の保護者が現れたのが夕方4時だった。

長い長い一日だった。

 

疲れたけれど、ケニアはターム休みが一ヶ月と長いそのぶん、保護者と協力して家庭においても学校で学んだことを継続して行ってもらうことが必要だと思っている。

保護者とこうして個人面談できるのは、1タームにおいて、学期始めと中間休みの時と学期末の3回。

ケニアの学校も3ターム制なので、つまり一年に9回。

保護者との面談は、子ども達の成長を一緒に共有したり、新たな目標を一緒に考えられる貴重な機会。

 

今年度、この一年間で子ども達との信頼関係が深まったのは自分でも感じていた。

それは、ケニアに来て彼らの先生となった時から、きっと築けると確信していたこと。

でも保護者との信頼関係を築くのはそう簡単ではないだろうと思っていた。

スワヒリ語も英語も半端にしか話せない外国人の先生が自分の子どもの担任だなんて、大丈夫かいなと、私が親でも心配するだろう。

だが今日、保護者からもらったたくさんの感謝の言葉や、子ども達の成長を喜んでくれる言葉で、保護者にもやっと一人の先生として必要とされ認めてもらえる様になったと感じられた。

「ちゃんと私の子どもの成長を考えて教えてくれてありがとう。」

「来年も私の子を教えてね。」

嬉しくて胸がじーんと熱くなった。

(もちろん全員じゃなくて、まったく話に集中してくれない保護者もいるけれど。)

 

ケニアでは “どうせむりだろう” と期待せず諦め半分で障害のある子ども達を見る傾向が強いように感じる。

それは学校現場だけでなく、保護者にも言える事。

誰かが、“あなたの子どもにはこんなに素晴らしいところがあるよ” と伝えてあげる。

そんなシンプルなことが、ここでの保護者への大切な支援のように感じている。

 

というわけで明日から12月いっぱい待ちに待ったターム休み。

ケニア山登山とエチオピア旅行が待っている。

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2012/11/26

Out-door Trip – part 2 –

今タームも子ども達が作業学習で作ったビーズの売上金を使い校外学習に行く事ができた。

今回の行き先は “Forest Trails” という自然公園のようなところ。

緑がそこらじゅうにいっぱいで気持ちのいい場所。

広場には遊具がたくさんあり、子ども達はまるで遊園地に来たかのように大はしゃぎだった。

シーソー、たのしいなぁ!爆笑するDaniel。

豪快ブランコは、順番待ちがでちゃうほど大人気。

背もたれと股ストッパーがついたブランコもあり、身体障害のある子ども達も一人で乗れた。

大親友の二人、にこにこのFaithと、そんなFaithを見て嬉しそうなGrace。

 

ひとしきり遊んだ後は、トレッキングへ。

“Nature Trail”という3kmの散歩道コースにほとんどの子ども達が挑戦した。

森の中の細い道や、上がったり下がったりの道をみんなで進む。

友だちの手をひいたり、転んだら助けてあげる、おもしろいものを見つけたら教えてあげる。

私が声や手を出さずとも、協力し合って子ども達は前に進んでいた。

3kmは歩ききれないだろうな、最後は担いで戻るしかないかな・・・と、数人を勝手に心配していたが、半べそかきながらも自分の足で最後まで歩ききっていた。

たいへんよくがんばりました。

 

歩いてお腹が減ったところでお昼ごはん、今日のお昼はサンドイッチですよー。

パンはほとんど毎日口にしていても、多分ほとんどの子ども達がサンドイッチを食べるのは初めて。

たまご、ハム、きゅうりとレタス。

どれも初めて口にするものばかり、子ども達より興奮していたのは先生たちだった。

「これがハムっていうのね!何て美味しいの!」(ムスリムの子どももいるのでビーフハム。)

「たまごの黒いつぶつぶ何?これどうやって味付けしてるの?」(コショウは一般的にあまり使われてない。)

「ありがとう妙子、私サンドイッチの事一生忘れない!」(この先生は家族に食べさせたいと持ち帰りもした。)

想像以上のリアクションに、私も大満足のお昼ご飯。

 

お昼からは蝶園で蝶々を見たり、大きな池で魚を見たり、遊具で遊んだり。

もりだくさんの一日。

後二日で今タームも終わり。ケニアは1月始まりなので、つまり今年度が終わる。

なんだか、いい “〆” になったみたい。

 

最後の一枚は、ずっと撮りたかったTeddyが幸せな時に見せる顔。

「ぐふふっ」と笑うかわいいTeddy。

今までで一番この顔を見てその笑い声を聞いた日だった。

2012/11/24

さよなら、Ocean

友人であるJiroさんの息子、Oceanが逝ってしまった。

生後5ヶ月足らずの短い命を懸命に生きたOceanは、今安らかに眠っている。

 

難しいお産のために少し小さな体で産まれてきたOceanは、Jiroさんと妻のJacklyneが初めて授かった命だった。

成長がゆっくりめであること、呼吸が整わず体調が優れない事、入院や通院を重ねる度にみんなで心配しながらも、Oceanの成長を願いこれまで見守って来た。

でも様々な人の尽力や願いも届かず、Oceanは逝ってしまった。

 

初めてOceanを抱かせてもらった時の頼りない小さな体の感触や、“うみ”の曲をひたすら歌って聴かせる私の腕で眠るかわいい顔、日本から送ってもらったお姉ちゃんの鍵盤ハーモニカをプレゼントして吹いて聞かせた時に「うるさーい!」と言わんばかりに泣いた一生懸命な泣き顔。

Oceanの残した奇跡のような記憶が頭の中を巡る。

 

お通夜も葬儀の日も、母のJacklyneは痛い程の悲しみの中にいた。

Jiroさんも誰よりも辛いはずなのに、そんな時でも妻や周りのみんなに笑顔とともに気を配り、いつもの強さと優しさを失わなかった。

そんなJiroさんが涙を見せたのは、Oceanの墓標を見た時だった。

 

墓標にはこんな風に記されていた。

 

Ocean

Sunrise 27th June 2012

Sunset 20th November 2012

 

あまりに短い命だったけど、Oceanが照らした光は今もずっと眩しい。