Archive for ‘daily life in Kenya – Nairobi’

2011/08/07

Sisal bag

Sisal bag(サイザルバッグ)は、ケニアの農村地帯で女性グループが作るかごバッグ。

サイザル麻というのは乾燥地帯に生息するサボテンに似てる植物からできるらしい。

ひとつひとつが手で織られているので、全く同じ大きさ、同じ柄の物というのは存在しない。

折り方やパターンは母から子へと受け継がれたり、部族によっての特徴があったりするらしく、ケニアの代表的な伝統工芸のひとつ。

と聞いてて、ずっと手にしたかったサイザルバッグ。

スワヒリ語の研修も終わったことだし、土曜日だし、今日はナイロビ市内にあるサイザルバッグの加工・卸売り屋さんに行ってきた。

倉庫の様な小さな工場には、右にも左にも上にも下にもサイザルバッグがいっぱい!

写真はほんの一角。この10倍くらいあった・・・全部手にしたいけど到底むり。

その中からお気に入りを選んだら、革職人と相談して取っ手や飾り、鞄ならファスナーやふた等つけてもらう。

今日は停電してて倉庫の中は真っ暗だったけど、職人さん達は牛や山羊の皮を加工する作業にもくもくと励んでおられました。

こっちのわがままをたくさん聞いて、バッグに手際よく取っ手をつけてくれる。

あまりの手際の良さに感動し、弟子入りさせてくれとお願いしたところ、木の椅子ひとつくれて工具の使い方や簡単な作業を教えてくれた。

革を切り裂く・革に穴をあける・バッグに取っ手を取り付ける行程。

どれも素朴な工具で素朴な作業。

たのしい。向いてるかもここで働きたいと調子にのってくる。

それとここの職人さんは自分の仕事が好きだと言い、生き生きと良く働き良く笑い、その環境もいいなぁ、と。

結局3時間もいて、お昼を近くのちっこい店で一緒に食べて帰ってきた。

仕事後の飯はうまいなーと、ウガリとスクマウィキを一緒に食べて、一緒に爪楊枝でしーしーしながら工場に戻った。

ケニアの女性がひとつひとつ織ったサイザルバッグとこんな素敵なケニアの革職人のコラボレート作品。

私が選んだのは、これとこれ。

新居にて、ごみばこと、洗濯物入れになる予定。

ごみばこは、日本に帰ったらかごバッグとしても使ってもいいな。なんて言ってたら

ごみばこ後のバッグて順序違うでしょとケニア人に言われてしまいました。

確かに。

2011/07/31

アフリカを走る

SMILE AFRICA

今日はこのTシャツを着て、6時に起きてSMILE AFRICA  ~チャリティラン in Kibera~ というイベントに参加してきた。

チャリティランは、5kmの部と10kmの部があって、5kmの部は主にKiberaに住む子ども達がエントリー。

入賞すると学資や文具等がもらえるというもの。

私がエントリーしたのは10kmの部、目標は「走りきる!」

このイベントは日本の企業がたくさんスポンサーになっていて、高橋尚子さんをはじめ日本人も多く参加し、Nairobiにあるアフリカで2番目に大きいと言われるスラム地区Kiberaにて行われた。

Kiberaという所には、約100万人とも推定される人たちが約2.5㎢の土地にひしめきあって暮らしている。

離れて見るとトタンの茶色い屋根が一面に詰まっていて、最初見た時はここにそんなにも多くの人が暮らしているのかと、うまく頭の整理が出来なかった。

今日はそこに準備の段階からダンスミュージックが大音量で流れ、みんなが踊ったり走ったり自由に準備運動していた。

でもここはケニア、すべてがポレポレの国ケニア、こういったイベントでさえ時間通りに進むはずがない。

というわけで、まずは5kmの部から、予定より2時間遅れでのスタート!

子ども達、スタートダッシュむちゃくちゃ早い!本気で早い!

石がぼこぼこと突き出る赤土の上を、全力で駆け抜ける。

サンダルや裸足で走る子の姿もあった。片方の靴がスタート地点で脱げた子は、振り返らずにそのまま一足の靴のまま走り抜けて行った。

そんであっと言う間に帰ってきた。

最後まで全力で歯を食いしばりながらゴールする子ども達の姿に感動すると同時に、どんだけ苦しいんだとこのへんから不安になってくる。

私にとっては初めての10km走、アフリカの赤土のぼこぼこの大地で、予定より2時間半遅れで10時半よりスタート。

コースはKibera地区の横を走り、森林の方に抜ける片道5kmの折り返し。

ナイロビは標高が約1660mの都市、ただでさえすぐ息が切れて苦しいのに、スタート早々心臓破りの上り坂が。

知らなかった・・・。心が折れそうになる中やっと走ってのぼりきると、もうひと山発見。

最初の2.5kmで3つのお山に悩まされ、何度も「もーだめ、、、」と思ったけれど、右手に広がるのKiberaの家並みと、そのへんからひょっこり出てきて一緒に走ってくれるちびっこたちを見てると、走りきりたいなぁと思わされる。

苦しい所を抜けると、赤土の大地から突き出る石が少なくなり、きれいな緑が両手に広がる道へ出た。

石をよけて走らなくてもよくなったと思ったら、なんとそこからは牛のうんちをよけて走らなくてはいけないという試練。

すごい奇麗な景色なのに、見ていたのは牛のうんちばかり。

でも、どんどんよけるのがうまくなる。そして楽しくなる。

そんなこんなで、日差しも強く苦しかったけど、「Strong! Strong!」との声援を受け、時間はかかったけれど1時間13分で無事10km完走。

ゴール手前500mで出会ったちびっこ3人と、かけっこでゴール。

もちろん私がべべ。

でも今日、アフリカを走った!

最後の一枚は、Qちゃんとケニアの子ども。背景に、キベラの家並み。

2011/07/21

Nairobiのスラム “Mitumba”

今日はMitumbaという所に行ってきた。

ナイロビには10年もの間このMitumbaに住む人たちに関わってきた宮田さんという日本人がいる。

今日はその人に案内をしてもらい、初めてスラムを訪れた。

宮田さんは、別名“チャイルド・ドクター”と呼ばれる人で、衛生的な生活環境にないこの場所の乳児死亡率を0,2%まで下げた人。

住民が医療にアクセスできる仕組みを作り、ケニアに住み続け支援を行っている。

「僕は医者じゃないんです。医者じゃなくても、ひとの命を救えるんですよー」とにっこり笑って話をしてくれた。

ここで今日一日過ごして思った事。

子ども達が明るい。ほんとに明るい。無邪気で、元気で、強く逞しい。

下水が溢れる家と家の間の細い路地を駆け抜けて走る。

拾ったゴミでおもちゃを創って嬉しそうに掲げて遊ぶ。

道ばたでごろごろ昼寝する。

大きい子は小さい子の面倒をしっかりみる。

手を繋いで、どこまでもどこまでもはしゃいでついてきてくれる。

今日見たどの場面を切り取っても、子ども達の本当にきらきらしてる顔が浮かぶ。

貧しく苦しい環境で生きているけれど、そのぶん心は豊かでしなやかなんだと感じた。

スラム街に、子どもの笑い声が響き、女性はお洒落をし、美味しそうな屋台も並ぶ。

想像していたよりもずっとずっと明るい光景だけど、でもその裏にはそれぞれの家庭の苦しい現実がある。

今日家にお邪魔して話を聞かせてくれた女性は、右半身の痺れから仕事を続けられなくなり、夫と子ども6人とここに越してきたそう。

トタンを張り合わせて創られた家の中には、窓も電気もなく、昼間なのに真っ暗だった。

夫の月収は3000ksh(約3000円)そして家賃は1000ksh(約1000円)。

ケニア政府からの支援等は何もなく、子どもを学校に行かせ、ご飯を食べさせる事がどれだけ苦しいか話してくれた。

朝はチャイ、昼はおかゆ、夜はウガリ(トウモロコシの粉を練ったもの。)が毎食だそう。

それ以外の物を食べれるのは、夫が何か食べ物を持って帰れた時だけ。

ここの生活が好きではないと、体が良くなれば前のように農業をして山で暮らしたいと、小さな声で話してくれた。

その横で、来客にはしゃぐ元気な子どもの姿。

それを見てほっとする反面、いつまでこの笑顔が続くのかと考えると、やはりこのままでいい訳はないと感じた。

お出迎えにきてくれた子ども達

Mitumbaにはトタン家と洗濯物が並ぶ

日常風景。Mitumbaにはパワフルママがたくさん。

どうしてもゴミの腐敗臭や下水の臭いが鼻につく。

最後まで見送ってくれた、かわいいかわいい子ども達。